140字小説セレクション
言葉のふね
140字小説セレクション
言葉のふね
140字小説はTwitter(現X)からはじまった新しい小説の形です。
本として刊行されたものはまだまだ少ないですが、多くの書き手によってさまざまな内容の作品が書かれています。
日常を描きながら鋭い洞察を含む作品、独自の着想に基づく幻想的な作品、ユーモアのある個性的な作品など、短いながらも文学的な厚みを感じさせるものも多数あります。
140字小説セレクション「言葉のふね」は、140字小説という新しいジャンルの新しい書き手の作品集をシリーズで刊行するものです。
新しい書き手の作品を世に送り出し、140字小説という形式の可能性を探ることを目指しています。
文芸創作コミュニティ「星々」で開催された140字小説コンテストの年間グランプリ受賞者を中心に、個性豊かな世界を紹介し、140字小説の広がりを伝えていきたいと考えています。
2025年に3人の書き手の作品集を刊行し、その後も継続してシリーズを刊行していく予定です。
クラウドファンディングを実施します!
シリーズ刊行のため、以下の期間でクラウドファンディングを実施します。
2024年11月8日(金)〜
2025年1月31日(金)
あたらしい書き手のためのレーベル作りをご支援ください!
新しい書き手たちによる140字小説の作品集を届けるための新しいレーベルを作りたい
よろしくお願いいたします!!
シリーズ概要
140字小説セレクション「言葉のふね」
内容 作品60編+著者あとがき
装画 ヌイヌイトコネコネ
装丁 mikamikami
体裁 B6判 並製 カバー付
頁数 各巻76ページ
予価 1320円(本体1200円)
監修 ほしおさなえ
協力 星々
各巻概要
1巻
「ぴい」と鳴らせば
へいた
「ぴい」と鳴らせば「ぴい」と応える。子供の頃は草笛を鳴らすだけでみんなと通じ合えた。大きくなった指で葉っぱをつまんで唇にのせる。「ぴい」と鳴らしても故郷の川辺に応える友人は誰もいない。皆、大きくなったのだ。吹いた葉っぱで舟を編んだ。川に流す。「元気かい」。いつか誰かに届くといい。(収録作品より)
2025年2月刊行予定
〈作者プロフィール〉
1981年愛知県生まれ。コロナ禍にSNSに投稿開始。2021年ショートショートnote杯モノ・マガジン賞受賞。2022年名古屋の魅力推進事業「コトノハなごや」佳作。同年140字小説コンテスト第2期星々大賞受賞。2024年第二回ひなた短編文学賞佳作。
2巻
無職のお化け
のび。
無職のお化けに会ったことがある。駅前の蕎麦屋でだ。「周りが定職に就けとうるさいのです」とお化けが言うので、私も無職だから気持ちが分かると言うとお化けは酒をおごってくれた。それから何度かその店へ行ったが、再びお化けに会うことはなかった。職に就いたのかもしれない。未だ私は無職である。(収録作品より)
2025年4月刊行予定
〈作者プロフィール〉
1987年福島生まれ。趣味は創作と逃避。2022年から星々主催の140字小説コンテストに参加。2023年、第3期星々大賞受賞。2023年NHK全国短歌大会特選。2023年福島県文学賞短歌部門 文学賞。2024年1月1日からXで毎日短歌をよんでいる。
3巻
その朝が来たら
四葩ナヲコ
あの灯りを目指して歩いてきたのだ。吹雪の中をずっと。奥歯を噛みしめて。窓にぼんやり映る橙色の燈火。遠くからも心を温め続けてくれたもの。だからそのとき、扉を開けたその中に本当は誰もいなくても、暖炉の火がすっかり灰になっていようとも、私はこう言うだろう。「ただいま、愛しい我が家」と。(収録作品より)
2025年9月刊行予定
〈作者プロフィール〉
1978年神奈川県生まれ。2015年、よみうりカルチャー大森でほしおさなえの140字小説講座を受講、140字小説を書き始める。140字小説サークルlotto140に参加。140字小説アンソロジー『はまぐりの夢』を編集発行。